有限会社と株式会社どちらがお得か4つの比較ポイント

有限会社と株式会社どちらがお得か4つの比較ポイント

有限会社と株式会社、どちらがお得か検討中の方へ
東京商工リサーチによると、2014年に全国で新しく設立された法人(新設法人)は11万9,552社、5年連続で増加しています。
今回は、有限会社と株式会社どちらがお得か、比較ポイントをお届けします。

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有限会社と株式会社どちらがお得か4つの比較ポイント

 

その1:有限会社の新設はできません


有限会社は、社員50名以内・資本金300万円以上を条件に、1人で設立することができ、役員任期がないなど、株式会社に比べて手続きが簡便であったため、中小規模の事業を行う際に適していました。
しかし、2006年に新会社法が施行、「有限会社の廃止」が決定されました。このため、新たに有限会社を設立することが不可能となり、新会社法施行前から既存する有限会社については、「特例有限会社」としての存続が決まり、実質的にはこれまでの有限会社と変わりませんが、法律上は株式会社の一形態としての扱いを受けることになりました。

新会社法は、これまで有限会社のメリットとされてきた資本金・取締役人数について、大きな変更を打ち出しました。資本金は1円以上・取締役は1人以上…つまり、会社設立へのハードルを大きく下げ、企業を奨励する中身となっているのです。
また、「有限会社の廃止」に代わり、「合同会社」が新設されたことも、新会社法の大きな目玉となりました(合同会社については後述します)。

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引用元:株式会社東京商工リサーチHP(http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20150810_06.html

その2:株式会社のメリットを考えよう


株式会社とは、その名の通り「株式を発行することで投資家から資金を調達し、その資金を元に事業活動を行う会社」です。新会社法の施行により、株式会社設立のハードルは大きく下げられましたが、過去5年間の株式会社設立数の推移は微増となっています。
では、他の法人格にはなく、株式会社だけが持つメリットにはどのようなものが考えられるのでしょうか。キーワードは「認知度」です。

【過去5年の株式会社設立数の推移】

年度 設立数
H22年度 80,535社
H23年度 80,244社
H24年度 80,862社
H25年度 81,889社
H26年度 86,639社

(出所:法務省統計より作成)

◎社会的な信用が高く、ビジネスチャンスが広がりやすい

株式会社は、資本金や役員、決算内容を開示しなければなりません(決算公告と言います)。
開示された情報によって、取引先・顧客・金融機関などから信用を得ています。社会的に高い信用を得ることで、営業活動が行いやすくなったり、金融機関からの融資が受けやすくなる可能性が大きくなります。
新会社法により新設された合同会社は、決算公告の義務はなく、認知度はまだまだ低いため、株式会社に比べると信用を得ることが難しいのが現状です。
また、取引先を株式会社に限定する企業も依然としてあり、ビジネスチャンスを広げるためには株式会社が有利と言えるのではないでしょうか。
ビジネスに資金が必要となった場合に、新たに株を発行し、市場から資金を調達する「増資」を行える点も株式会社の持つメリットです。

◎人材確保でリードできる

先程お伝えしたように、日本では株式会社の認知度がダントツに高く、採用活動において苦労されている合同会社の代表社員(合同会社では、代表取締役と名乗りません)の声も聞かれています。新会社法上では、株式会社の一形態である有限会社も、「株式会社の方が大きくて安心」と言う印象が強いようです。

 

その3:有限会社のメリットを考えよう


新会社法の施行により、法施行前から既存する有限会社は「特例有限会社」として存続することが決まりました。特例有限会社は、登録変更手続きを行うことで、いつでも株式会社に変更することができますが、ここでは特例有限会社として存続するメリットについて考えてみましょう。

◎費用を抑えることができる

有限会社は計算書類の公告の必要がないため、それに伴う費用の計上が要りません。
また、株式会社へ登録変更手続きを行うことで生じる様々な費用…登記費用(有限会社の解散登記と株式会社の設立登記を同時に行います)・名刺・封筒・看板・社判・各所への商号変更の案内状などを作り直す費用が必要となります。

◎役員の任期が無制限

株式会社では、原則として取締役の任期は2年、監査役の任期は4年と決められており、任期終了後、役員に変更がない場合(重任と言います)でも、株主総会での決議を経て、法務局での登記が必要となっています。登記に必要な費用は、資本金1億円以下の会社で1万円かかります。特例有限会社の場合、取締役・監査役の任期はありません。

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その4:合同会社のメリットを考えよう


新会社法の施行により新設された合同会社は、株式会社と同様に法人格を持ち、契約や税制面で株式会社と特に違いはありません。ですが、「その2」のキーワード「認知度」では、株式会社に差を開けられている現状をお伝えしました。しかし、合同会社の登記数は右肩上がりとなっています。では、合同会社のメリットにはどのようなものが考えられるのでしょうか。

【過去5年の合同会社設立数の推移】

年度 設立数
H22年度 7,153社
H23年度 9,130社
H24年度 10,889社
H25年度 14,581社
H26年度 19,808社

◎自由度の高い組織が作れる

株式会社では利益の配分は出資割合に応じますが、合同会社では比率を自由に定めることができます。また、株式会社が会社法により制約を受ける組織設計や組織内部規定も、定款により柔軟に規定することができます。定款自体も、総社員の同意を基に変更ができるため、迅速な会社運営が可能となっています。

◎設立コストが安い

合同会社の設立登記の費用は6万円、株式会社は15万円ですので、半額以下の費用しかかかりません。また、株式会社では公証役場で定款認証手続きに5万円がかかりますが、合同会社は定款認証手続きが不要のため、その費用を抑えることができます。

 

あとがき


いかがでしたでしょうか。
もし、独立・法人設立をお考えでしたら、個人事業のようにシンプルな手続きで設立できるものから、今回取り上げました株式会社、合同会社…他にも、合名会社、合資会社、有限責任事業組合などの法人形態がありますので、ご自分のイメージされる事業の規模や展開予想を基に、どの法人形態にされるかご検討頂ければと思います。
以上、「有限会社と株式会社どちらがお得か4つの比較ポイント」をお届けしました。最後までお読み頂きありがとうございます。

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